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陶芸家、村井大介さんのアトリエでの絵付けとデザインとはなんぞや。

10月6日
読了時間: 5分

東京の二人展、ギャラリーcopseのオーナーの小森さんが、二人で、器を作ってみましょうか!その一声から始まったこの企画、愛知県瀬戸市にある村井大介さんのアトリエに行くことになりました。

その前に一枚と小さな花器を二つ、テストピースとして送っていただいて、家ではなんとかさらさらと楽しく描けたので、これは一度伺って10枚くらいできそうだ、と思いました。

そして予定の日、早朝の新幹線で名古屋まで行き、JRに乗り換え高蔵寺まで約30分、降りたところのパン屋さんで小森さんと待ち合わせて合流、しばらくすると、陶芸家であり奥様の陽子さんがお迎えに来てくださりました。3人で車に乗り込み、瀬戸のことをご説明していただきながらのドライブ、アトリエまで陽子さんの運転で少し車を走らせます。


大きなお庭の奥に家庭菜園があり、小さな野菜たちがスクスクと育っている、村井さんご夫婦のアトリエがあるお家に到着しました。村井大介さんとも初めてお会いして、おはようございます、初めましてと優しい笑顔でむかえていただき、ご挨拶も早々に絵付けの準備してくださった部屋に向かい、開始となりました。



美しい肌をした素焼きのプレートが理路整然と並ぶ、それらを前にして少し緊張しました。

しばらく描いてみる、なかなかうまくいかない、あれ?水に流したり、少しスポンジで擦ったり、消したり、村井さんのプレートをけがしているだけな気がして、だんだんと何をしているのか、わからなくなりました。


気持ちだけ焦って、また焦るとうまくいかない、こう見えて緊張しやすいチキンの人なので、こういう感じになるとなんと無くダメな気持ちに流されてゆく。当初の私の目論見、構想は全くもって崩れつつ、午前の部が通り過ぎて行きました。もっと早く描けると思っていましたが、いくつか見られるものができただけでした。




陽子さんの作ってくださった手作りの温かいコーンスープと、大介さんが育てている採れたばかりの野菜のサラダと小森さんが朝待ち合わせをしたパン屋さんで仕込んだたくさんのパンと共に、四人での幸せなランチタイムとなりました。ただ、私は焦りとプレッシャーで、これはもう一度来るしかない、ということを悟っていました。同時にもう一度来たいなぁ、という気持ちも芽生えていました。


title ; わたし
title ; わたし

そして、午後からは少しずつ釉薬と仲良くなれて、だんだんと乗ってきました。ただ、個人的に気に入ったこれは!というものは数枚でした。というわけで、宿題として小さい方のプレート7寸の素焼きのお皿を数枚持ち帰ることになりました。悩んでいる私をみて陽子さんがこういう削ったりする道具もありますよ、と渡してくださった秘密道具、先の尖ったペンのような道具を使わせていただきました。それが楽しくて、なにやら版画のようになるではありませんか。その後、小森さんからもヒントを得て、いいかんじの手のモチーフが描けて、なんとなく器への絵付けは、絵を描くことではないんだ、なにか"違い"がある気がしました。家でも、もっと描きたい!という思いと共に、夕方には、アトリエを後にして帰路につきました。


title ; のせる
title ; のせる

持ち帰ったプレートを前に、その小さく芽生えた”違い”について数日考えていました。そして手を動かしてみて、そのぼやっとした考えが、はっきりとしてきました。絵を描く、というよりもデザインする、構築する、それがプロダクトなのかもしれない。



少し輪郭が見えてきたところで、"デザインと構築"を意識して描いてみることにしました。もちろん絵画だって、デザイン的な視点は必要なのですが、デザインが前に出ないのが絵画、お皿に描くということはそれが全面に出てくる、そんな感じがしました。きっと名画を写したお皿が面白くないように、"プロダクトデザイン" そういう世界が、しっかりと社会に存在している以上それを無視することはできないんだと思いました。それ以降に描けたものたちが、民藝的な要素を抱えた"黒の釉薬" そんなシリーズとなりました。(自分の頭の中でシリーズ化)


title ; 道草
title ; 道草

翌月、ほとんど同じ時間で、改めて訪問し、その意識をもって、ズンズンと描き進めました。結局たくさんはかけませんでしたが、納得のいくものができて、二度の絵付けの旅を終えることができました。

title ; これ以上
title ; これ以上

それらが焼成され9/26の二人展初日、copseという静かな空間にみんな仲良くならんでいるのを観ることができて、その柔肌に触れてみて、小さく感動していました。

言葉はいらない、という尊い言葉が胸の中に静かに湧き上がってくるそんな雨の朝でした。


焼成前
焼成前
焼成後、美しい艶と色が現れる
焼成後、美しい艶と色が現れる

村井大介さん、奥様の村井陽子さんも納期前の忙しいときにも関わらずサポートを含めありがとうございました。そして、企画、サポートからアイデア、時間、copseという空間を惜しげなくご提供くださったオーナーの小森さん、この度は大変お世話になり、大きな学びをいただきました。ただ展示して売れることが目的ではない、と私は考えていますのでこんなわたしとお付き合いいただき感謝です。ありがとうございました。


10/12まで村井さんの残り少ない器たちと共に、絵付けをした作品もcopseオンラインで販売していただいています。

どうぞのぞいてみてください。


この気に入ったデザインで、Tシャツもつくりました。

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